「SHAME」を観たじょ!
「愛なら、毎晩ティッシュにくるんで捨てている」
ニューヨークを舞台にセックス依存症の男の苦悩を描き、2011年・第68回ベネチア国際映画祭でマイケル・ファスベンダーが主演男優賞を受賞したドラマ。ニューヨークでエリートサラリーマンとして働くブランドンは、セックス依存症から抜け出せずにいた。そんなブランドンのもとに、恋愛依存症でリストカット癖のある妹シシーが転がり込んでくる。互いに相容れない2人はともに生活することでますます孤独を深めていき、事態は悪い方向へと転がっていく。妹シシー役でキャリー・マリガンが共演。監督はイギリスの新鋭スティーブ・マックイーン。
あんまりネタバレしたくないのでぼんやりとした感想。
ブランドンは性依存症。彼の部屋を訪れるのはセックスフレンドか売春婦だけ。
エリートだからこそ、ひたかくしにしていたにも関わらず日常の中でセックスにまつわることでどんどんプライドを傷つけられていく。彼はそんな自分を認められないでいる。
そこで大きな鍵となるのが妹シシー。彼女はバーで歌手として働いてて、「お兄ちゃん、一回私の歌聞きに来てよ」とかいってブランドンを呼ぶ。
その時の歌「ニューヨーク、ニューヨーク」を聞いてブランドンは涙を流す。
My little town blues この小さな町での 悲しい思いが
They are melting away とけて 消えてゆく
I gonna make a brand new start of it 私はもう一度 出直すの
In old New York 懐かしい ニューヨークで
If I can make it there もしこの街でやっていけるなら
I'll make it anywhere どこでだって 大丈夫
It's up to you New York, New York すべてあなた次第 ニューヨーク
その後のブランドンの話から、どうやら二人はアイルランドからの移民で、アメリカで生活するまでに苦労したらしいことは分かるけど、それだけ。
この映画の大きな特徴であり、話題になるのも、「実はこうなんですよ」と映画の中で答えを出してしまうんじゃなくて、観ている人々に多くのことが委ねられている、という所だと思う。
それを象徴しているのが「私たちは悪い人間じゃない。悪い所に居ただけ」というシシーの言葉や、ブランドンが見つめる白黒のアニメーションや、シシーのリストカットの跡とかとかとか。
出てくる人々、特に主人公のブランドンは寡黙で、一切の愛情を切り捨てて、人間関係と言えばセックスだけ、という姿を演技で表現しているのはすごい。いいラストシーンだった。
そして、青を基調とした映像が美しい。特にDVDのジャケットにも使われてるOPの映像とファスベンダーの肉体美。素晴らしい。
大変きまずくなると思われるので、間違っても彼氏と一緒に観てはいけません。笑
あと、まったく関係ないけど、ポスターのあおりに使われていたコピー。いいですね、とても。笑